「誰かを救う」って考えちゃうと苦しくなる
救うべき人はいない」って心理カウンセラーが言う理由
「どうして苦しんでる人を助けてくれないの?」 こんなふうに聞かれたとき、心理カウンセラーの中には、こんなふうに答える人がいるんです。
「救わなきゃいけない人とか、支えなきゃいけない人とか、助けなきゃいけない人って、本当はいないと思ってるんです」
えっ?って思う人もいるかもしれませんね。でも、この考え方には深い理由があるんです。
「誰かを救う」って考えちゃうときの問題点
苦しんでる人を見ると、つい「何かしてあげなきゃ!」って思っちゃいますよね。優しい気持ちから手を差し伸べようとする。それって本当に素敵なことです。
でもね、ちょっと花のことを考えてみてください。 ハウス栽培で大切に育てられた花って、確かにきれいに咲きます。でも、外の環境に出すとすぐに枯れちゃうことがありますよね。
一方で、道端に咲いてる花や森の草木はどうでしょう?誰も水をあげないし、肥料もあげない。でも、雨の日も風の日も、自然と根を張って美しく咲いてる。そこには、自分で育つ力強さがあるんです。
もしかすると、「この人には力がないから」「私がなんとかしなきゃ」っていう気持ちでの支援って、その人をハウス栽培の花みたいにしちゃうことがあるのかもしれません。
みんな、幸せを選ぶ力を持ってる
心理カウンセラーが大切にしてる考え方があります。それは、
「人って誰でも、森の草木みたいに、自然と根を張って立ち上がる力を持ってるんだ」
ってことです。
カウンセラーの仕事は、あれこれ栄養を与えたり、温室で囲ったりすることじゃないんです。 その人の中にある「自然に育つ力強さ」を信じて、本人が自分で根を張って、自分で選んで、自分で花を咲かせていく…そのプロセスを見守ることなんです。
つまり、「むやみに手出ししない」っていうのは、冷たいからじゃなくて、「あなたには道端の花や森の草木みたいな、自然に育つ強さがあるって、私は信じてるよ」っていう、最大の信頼の気持ちなんです。
本当に必要なのは、「信じて待つ」気持ち
助けたい気持ちが強いほど、「栄養をあげなきゃ!温室に入れなきゃ!」って焦っちゃいますよね。 でも、本当にその人が強く育つために必要なのって、
無理やり肥料を与えることじゃなくて
「あなたは自分の根っこで立てるよ」って信じて、そっと見守ってあげること
森の草木が自分の力で太陽を見つけ、水を求めて根を伸ばすように、その人が自分の力で成長していくのを信じて待つ。この”見守り”ってことが、心理カウンセラーとして一番大事なことなんです。
まとめ:救うんじゃなくて、信じて支える
「救うべき人はいない」って言葉の裏には、「人にはみんな、道端の花や森の草木みたいに、どんな環境でも自分の力で美しく咲く強さがある」って心から信じる気持ちがあるんです。
苦しんでる人に対して、ただそばにいて、話を聞いて、その自然な力強さを信じて待つ。 過保護なハウス栽培じゃなくて、本来持っている自然に育つ力を信じる。
それが、心理カウンセラーが「支援」として一番大切にしてることなんです。
もしあなたが、大切な人の苦しみに直面したとき、
「何もしてあげられない…」って落ち込まないで、 「この人の中にある、自然に育つ力強さを信じて、見守ることも、ちゃんとした支援なんだ」って思い出してみてください。
きっとその人は、自分の力で美しい花を咲かせてくれるはずです。
「著書」
苦しみを乗り越え 心の痛みを解放する テープ式心理学: 感情の波が激しく疲れやすい人が、自分の心の苦しみを癒し、心の平穏を手に入れる方法 (字蔵出版) amzn.asia